先人への感謝
今年のGWは暦通りにお休みをいただきました。
そのため、5月3日(水)〜7日(日)の5連休。
歳も歳ですので、最終日は家でゆっくりしたいもの。
そこで、あまり遠出をすることなく、日帰りで関東一円をドライブすることに。。。
まず初日は、あてもなく群馬県方面に向かいました。
道中、知らない街で買い物をしたり、ご飯食べたり。。。
そんな折、車のフロントガラス越しに鶴の形に似た雲を発見。
これは縁起が良いですね、
そうこうしているうち、行き着いたのは、群馬県富岡市にある富岡製糸場でした。
こちらに伺うのは、5年ぶりで二度目。
当時からは、かなり街並みも変わっていました。
見学券も、こちらの韮塚製糸場で事前購入することが出来ました。
日本の近代工業を引っ張った最先端の製糸場だっただけに、正門前のお店には、近年噂の昆虫食が販売されていました。
個人的に、昆虫食はかなり抵抗があるのですが、工場が設立された当時は現代の昆虫食と同じように製糸業を眉唾で見ていたのでしょうかね?
こちらが正門入口です。
趣のあるしっかりとしたレンガ造りの工場ですね。
しかし、骨組みは日本らしく木造とのこと。
私が伺ったのは15時頃。
入館は16時まででしたが、まだ多くの方が新規に来られていました。
製糸場内は、個人客だけでなく団体客も多く、人でごった返していました。
こちらの建物から順路に沿って見学します。
まずは入口を入って右側の建物、次に左側の建物の順です。
右側の建物に入ると、富岡製糸場の成り立ちやその偉業について、展示物やビデオで説明がなされていました。
設立当初、富岡製糸場の絹は品質が悪く、欧米から苦情が来ていたとのこと。
しかし、それをきっかけに改善に務め、ついには世界に名だたる品質の絹を輸出できるまでになったそうです。
当時の方々の苦労が伺えますね。
世界遺産にも登録されたそうです。
どうりで、この日も外人さんの姿を多く見かけたはずです。
左側の建物には小洒落た売店がありました。
シルクを使った衣類、小物、雑貨が販売されていましたが、私たちは時間もなかったのでスルー。
次の順路に向かっていると、残念ながら工事中の現場に遭遇。
世界遺産になったので、建物の改修工事をしているのでしょう。
数年後にもう一度伺って、全ての見学施設が完成した段階で再度拝見させていただきたいものです。
一方で、新たに作られた展示施設もありました。
こちらでは、ブリュナエンジン(復元機)が展示されていました。
このブリュナエンジン(復元機)。
何のために、どうやって使われていたかは全く分かりません。
しかし、何やらすごい機械を使っていたのだなぁ〜ということだけは理解できました。
次に、国宝の西置繭所を見学させていただくことに。
こちらは、当時二階が原材料の貯蓄庫、一階は繭をより分ける場所として使われていたそうです。
一階では、製糸場での生活がわかる品々が展示されていました。
きちんとした制服もあり、勉強も、サークル活動も盛んで、当時としてはかなり近代的な生活をしていたように思えます。
しかし、そんな中にも、品性、品位、品格という言葉を通じて、節約、増産、信用の大切さを説くなど、日本らしさの残る部分も多くあったようです。
言葉は違えど、現代で大事だと言われていることと、なんら変わっていないと思うのは、私だけでしょうか。。。
二階はまだ工事中でしたが、倉庫として使っていた模様が一部再現されていました。
ちなみに、この当時、倉庫の大敵はネズミと湿気だったそうです。
敷地内には、役職者用の社宅もありました。
女工さんは皆寮生活のようでしたが、役職者は戸建ての社宅。
しかも、かなり立派な建物。
このあたりは、格差があったようですね。
蚕を見たことがない人のために、生態展示もありました。
確かに、現代の若者の中には、絹(シルク)が蚕の繭から出来ていることすら知らない人もいるかもしれません。
最後に、操糸工場跡も見学させていただきました。
こちらが、よく一般的に見る製糸工場のイメージかもしれません。
ここに女工さんが大勢並んで、立ち仕事をされていたんだと思います。
まさに現代の工場ラインそのもの。
それにしても、凄い製造ラインですね。
全自動でオートメーション化された現代の製造ラインとも何ら遜色ないように感じます。
ここにコンピューターが接続されれば、今にも動き出しそうです。
今回、見学して感じたことは、日本の近代化を支えていただいた先人の方々のご苦労に対し、もっと感謝と敬意を払わねばいけないということです。
我々に今の便利な生活があるのも、この当時の方々のご苦労のおかげであることを改めて痛感しました。
今回は、改修中の建物も多く一時間程度で見学できました。
しかし、製糸場の敷地は広く、改修工事が全て完了したら最低でも二時間〜三時間は必要かもしれません。
数年後に、また伺わせていただきたいと思います。